叢生治療例22(非抜歯、マウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビザライン」)
症状・治療方針・治療
初診時年齢:40歳
性別:女性
症状・治療方針
上下顎前歯に軽度の叢生を認めました。過去に他院で唇側矯正装置による治療歴があり、後戻りを気にされての来院でした。
本症例のように上下顎の前後的関係が正常で、抜歯を必要としない程度の叢生の場合、矯正装置の選択肢は多いです。唇側の矯正装置、舌側矯正装置、マウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビサライン」などが選択肢に挙がります。患者様が見える装置に抵抗感を感じていたことからインビザラインを選択しました。
治療器具:インビザライン
治療経過
1・アライナーは15個。インビザラインは2週間に1個ずつ新しいアライナーに交換するので当初の治療予定期間は7か月半でした。
2・当初のアライナーを全て使用した時点で再診断を行い、以下の問題点が残存していました。
*下顎右側中切歯、側切歯間に僅かに空隙が残存している
*下顎前歯に僅かに叢生が残存している
*上顎右側側切歯と下顎右側側切歯が強く咬合し過ぎている
以上の理由からアライナーを再製作して治療を継続することにしました(ケースリファイメント)。
3・ケースリファイメントのアライナー数は5個でした。
4・1回目のケースリファイメントを終えた時点で再診断を行い、さらなる微調整のために2回目のケースリファイメントを行うこととしました。
5・2回目のケースリファイメントのアライナー数は6個でした。
治療期間:2年0か月
コメント
合計のアライナー数は26個ですから13か月で治療が終わると考えがちですが、実際にはインビザラインの製造を待つ時間が必要になります。そのため、治療期間は2年を要しました。固定式矯正装置と比較するとインビザラインの治療期間は長くかかることが多いです。
治療の目安
- 主訴
- デコボコの歯並びを治したい
- 診断名
- 上下顎前歯+叢生
- 年齢
- 40歳 女性
- 治療に用いた主な装置
- マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)
- 抜歯部位
- 非抜歯
- 治療期間
- 2年0か月 / 月に約1回の通院
- 治療費
- 約890,000円(税込)
- リスクと副作用
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- 歯みがきが不完全なまま長時間マウスピースを装着すると虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
- 初めてマウスピースを装着した時や取りかえた後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
- 小児や骨格性要因を含む症例には適さず、精密な歯の移動は原則として困難で満足な結果が得られない場合があります。
- 適切な装着時間を守らないと歯が動かず、治療期間も延長します。
- 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
【マウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビザライン」について】
- マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、日本国内では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認の医療機器です。材料については日本の薬事認証を得ております。
- 米アライン・テクノロジー社の製品の商標であり、インビザライン・ジャパン社から入手しています。
- 日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている同様の医療機器は複数存在します。
- 1998年にFDA(米国食品医薬品局)により、医療機器として認証を受けています。
- 日本では完成物薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
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