はさみ状咬合治療例1(唇側矯正装置)
症状
26歳女性。主訴は前歯の凸凹。上顎両側中切歯が翼状捻転していることに加えて第二大臼歯の鋏状咬合、また、開咬傾向も認められます。
治療
叢生については軽度ですが、治療サイドからすると第二大臼歯の鋏状咬合がちょっと厄介です。上顎左右側第二大臼歯の唇側傾斜とともに下顎両側第二大臼歯の舌側傾斜も認められます。
そこでマルチブラケット装置に加えてポーター(バイへリックス)を用いて上顎両側第二大臼歯の幅径を狭めることにしました。
上顎両側第三大臼歯(親しらず)が存在していたので抜歯しました。一般的に患者様は前歯の凸凹に対しては歯と顎(歯槽骨)の大きさのバランスがとれていない、ということはご説明すると比較的すんなりとご理解いただけるのですが、奥歯の凸凹に関してはなかなかご説明が難しいのが実際です。この症例は奥歯の凸凹というものをご理解いただくには良いケースかもしれません。
真ん中の写真が上顎両側第二大臼歯にポーターを装着しているところです。上顎大臼歯が下顎大臼歯を乗り越えやすいように上顎の小臼歯部を中心にレジンを盛って咬合拳上しています。
治療期間は22か月間でした。
治療の目安
- 主訴
- 前歯の凸凹
- 診断名
- 叢生、はさみ状咬合
- 年齢
- 26歳 女性
- 治療に用いた主な装置
- マルチブラケット装置、ポーター(バイへリックス)
- 抜歯部位
- 上顎両側第三大臼歯
- 治療期間
- 22か月間 / 月に約1回の通院
- 治療費
- 約830,000円(税込)
- リスクと副作用
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- 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
- 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
- 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
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