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翼状捻転について
翼状捻転とは歯列不正における特徴的な症状に対する用語で、叢生(でこぼこ、乱くい歯)の中の典型的症状の一つです。八重歯というのも同じように叢生の中の典型的症状の一つです。 専門的にいうと“上顎の中切歯が対称的に近心捻転している”ということなのですが、 以下のような症状が翼状捻転といわれる症状です。左右の上顎中切歯が逆ハの字になっています。
この歯並びがなんで「翼状」なのかというと、下の写真をご覧いただければ解りやすいでしょうか。
鳥の翼に似ているでしょうか?字のごとく鳥が飛んでいる翼のような歯並びということなのですが、普通はこのような角度で歯並びを見ることは無いですからやはり専門用語ですね。正面から見ていたら絶対に思い付かないネーミングです。ともかく、矯正歯科界の先人がそのように呼称して、現在も特に問題なく受け入れられています。
臨床的には気になることが上顎前歯の翼状捻転だけであるという患者様の多くは上下顎前突症であることも多い気がします。人種的なこともあるかもしれません。日本人は人種的に欧米人に比べて鼻と頤(オトガイ、顎のことです)が発達していないのですが、そのために口唇の突出感が強調されやすいのです。
治療の目安
- 治療内容
- 矯正装置を通じて歯やアゴの骨に力をかけてゆっくりと動かし、歯並びと噛み合わせを治します。
- 一般的な治療費総額の目安(自費)
- 大人 唇側矯正治療 約850,000円(税込)
- 治療期間・回数
- 矯正 2年前後・1回/月 保定 2年前後・2~4回/年
- リスク、副作用
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- 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
- 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
- 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
- リテーナー(保定装置)を適切に使用しない場合は、後戻りすることがあります。