叢生治療例12
症状
主訴は前歯のでこぼこが笑うときに気になるとのことでした。
上顎側切歯が上顎中切歯よりも内側に位置している典型的な叢生の症状です。叢生といえばこのパターンか八重歯でほとんどの割合を占めます。下顎の叢生は軽度だったため上顎両側の第一小臼歯を抜歯して治療することにしました。
治療
上下顎舌側矯正(裏側矯正)装置を装着しました。治療に際し上顎大臼歯が手前に動かないように口蓋正中に歯科矯正用アンカースクリューを植立しました。また、下顎歯列の正中を左側に移動するために下顎左側大臼歯頬側部にもアンカースクリューを植立しています。舌側矯正ですので本来であればアンカースクリューも舌側に植立したいのですが下顎の舌側は神経が近くにあるため植立することが困難です。安全性を重視し、患者様の了解を得て頬側に植立しました。治療期間は2年3か月間でした。
治療の目安
- 主訴
- 前歯のでこぼこ
- 診断名
- 叢生
- 年齢
- 24歳 女性
- 治療に用いた主な装置
- リンガルブラケット矯正装置、歯科矯正用アンカースクリュー
- 抜歯部位
- 上顎両側の第一小臼歯
- 治療期間
- 2年3か月 / 月に約1回の通院
- 治療費
- 約1,400,000円(税込)
- リスクと副作用
-
- 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
- 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
- また、治療当初は装置が舌にあたり、発音のしづらさや食べづらさなど感じることがあります。
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
- 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
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