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床矯正は行なっていますか?
床矯正は行なっていますか?
行なっています。ただし、アクイユ矯正歯科クリニックではあくまで矯正治療の1つの手段として床矯正を捉えています。
「床矯正装置だけで矯正治療を完結させる」という意味での矯正治療には歯列矯正の質の観点から限界があると認識していますので、そのような意味での床矯正治療は特殊なケースを除いて行なっておりません。
矯正治療による歯の動きは3次元的で分解すると「前後の移動」「左右の移動」「上下の移動」「回転」の4種類がありますが、床矯正装置は主に「前後の移動」と「左右の移動」が可能です。つまり2次元的な移動形式になります。前歯の角度とか、前歯2本の高さの違いなどは床矯正装置では治療することができません。2次元的な移動形式だけで治療が完了する症例ならばいいのですが、そのような症例は非常に軽症といえる症状であり限られてしまいます。
また、当院を受診される患者様の中にはかかりつけの歯科医院で小学校低学年から床矯正装置で歯列を拡大し、抜歯をせずに治療を行うように勧められたのですが、、、とセカンドオピニオンとしての見解をお聞きになる方もいらっしゃいます。
その治療方針が妥当だな、と感じることもありますが、将来的に抜歯が不可避だろうな、あるいは抜歯したほうが口元の突出感や前歯の角度など審美的に有利だなと思える症状であっても歯列の拡大からスタートしようとしているケースも数多く見受けられます。
小学校低学年で歯列を拡大したのに最終的に抜歯を選択することになれば、そもそも歯列拡大は意味のある治療だったのか?という疑問が残ることになります。
歯列拡大をするのであれば、凸凹の量が歯列拡大で解消可能な範囲内であること(概ね5㎜以内)と、口元の突出感がないこと、また、非抜歯で治療した場合に口元の突出感が悪化しないこと、など治療の最終目標を明確にイメージする必要があります。
床矯正装置の役割のイメージとしては上図のようになります。
唇側矯正装置、舌側矯正装置、マウスピース型矯正装置の「インビザライン」や「クリアアライナー」が主役とすれば、床矯正はそれらを補助する脇役ということになります。床矯正装置には多様な種類が有り矯正治療にとって欠かせない装置ではありますが、装置の性質上、移動様式が傾斜移動であり3次元的な複雑な歯の移動は行なうことができないからです。
参考:床矯正装置の特徴について