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矯正治療中の痛みが心配です・・・
矯正治療中の痛みが心配です・・・
矯正治療中の痛みは大別して2つに分類されます。
1・炎症反応に伴う痛み
歯の移動に伴う炎症反応に起因するもので、これは矯正治療によって歯を動かす以上避けて通れないことです。炎症反応が生じなければ歯槽骨の代謝は起こらず歯は動きません。ただし、比較的軽度な痛みです。
2・機械的刺激に伴う痛み
矯正装置による機械的刺激によるものです。ワイヤーが刺さって痛い等が該当します。
炎症反応に起因する痛み~程度の差はあれ歯を動かす以上避けられない痛み~
通常は矯正装置を装着した、あるいは調整した翌日が最も痛みが大きく、3~5日で次第に弱まってきます。比較的弱い痛みが持続的に続くのが特徴です。ただし、個人差も大きく、全く痛みを訴えない患者様もいます。
よく、「痛みの少ない矯正装置」と謳っているものがありますが、炎症反応に起因する痛みに関してはどのような矯正装置であれ同じことです。
対応策
原因が炎症反応ですから、消炎鎮痛剤の服用が効果的です。中枢神経系に作用するアセトアミノフェン(市販薬ではバファリンなどに含まれます)や局所に作用するNSAIDs(市販薬ではロキソニンSなどが代表的)を服用することで疼痛を軽減することができます。
また、柔らかいゴム状のマウスピースを装着し、強く咬むことでも疼痛は軽減します。これは疼痛に対する閾値を一時的に上昇させることで疼痛を感じにくくする方法です。
機械的刺激による痛み~比較的強い痛みだが、対処の仕方は色々ある~
矯正装置そのものが頬や舌に当たって痛いというケースはこちらに分類されます。特に治療開始から数か月はワイヤーが最後方臼歯に装着している装置後縁から伸びてくる時期になりますのでこのような痛みが生じやすいです。
対応策
ご家庭では矯正用ワックスやシリコンによって患部に隣接した矯正装置を覆うことで痛みはかなり軽減します(ワックスやシリコンは装置装着時にお渡しいたします)。
これは矯正装置による機械的刺激そのものを除去するという意味で原因療法と言えるでしょう。もちろん、歯科医院ではこれらに頼らずとも鋭利な部分が生じないような処置をすることが可能ですから矯正用ワックスやシリコンで一時的に対処し、来院可能な時に歯科医院で処置することが理想的です。
次に、矯正装置の機械的刺激によって口内炎が生じてしまった場合、アフタゾロン・アフタッチといった口内炎用薬の処方が有効です。また、当院には炭酸ガスレーザーがありますがこれによる口内炎の処置は即効性がありますし、完治までに要する期間も短くなります。個人差はありますが1週間程度かかる口内炎の治癒が半分くらいで治ります。
表面麻酔を施した後に炭酸ガスレーザーを照射しますので疼痛もほとんどありませんし、私は自分に口内炎ができると自分で炭酸ガスレーザーを照射しています。
矯正治療中の痛みに関してはクリニックブログ「アクイユガーデン」に“歯列矯正治療中の痛みについて”としてまとめておりますのでご参照ください
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