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マウスピース型
矯正治療
マウスピース型矯正治療とは
マウスピース型矯正装置:目立ちにくく、取り外しができる矯正装置です
マウスピース型矯正装置は、薄くて透明な医療用プラスチック素材でできており、着けていても周りの人に気づかれにくく、非常に審美性に優れています。従来の針金の弾性力を用いた固定式装置とは異なり、取り外しが可能で、扱いやすい衛生的な装置です。
患者様ごとにカスタマイズされたマウスピースは、歯型データから策定された治療計画のもと、医療メーカーの工場にて作製されて、歯科医院に届きます。そして、歯科医師の管理下で患者様自身が治療段階ごとに少しずつ形状の違うマウスピースを定期的に交換しながら、徐々に歯を動かしていきます。
マウスピースは、基本的に飲食や歯磨き以外は外すことなく、1日20時間以上装着することが必要です。
マウスピース型矯正治療は画期的な治療法ではありますが、全ての症状に適応しているわけではありません。この装置での治療をご希望されても、適応症でない場合は十分な治療結果を得ることができません。歯科医師は、患者様が適応症かどうかを見極め、コンピューターが予測不能な生体の変化や患者様の行動等にもしっかりと対処・リカバリーができる矯正技術や知識が必要です。
このページでは、当院で採用しているマウスピース型矯正装置「インビザライン」と「アソアライナー」の説明や、マウスピース型矯正装置での治療の流れ、この装置のメリット・デメリット、また、矯正専門の医院で行うマウスピース型矯正治療は一般歯科で行う治療とどう違うのかなど詳しく説明しています。
その他、ページ下部には、マウスピース型矯正治療Q&Aも掲載しています。
マウスピース型矯正治療は、目立つ装置が嫌で歯列矯正を躊躇していた方や、金属アレルギーがあり治療を断念していた方にぜひ知っていただきたい治療法です。マウスピース型矯正装置「インビザライン」ページ・「アソアライナー」ページと併せてぜひご覧ください。
マウスピース型矯正治療で使う矯正装置
マウスピース型矯正装置「インビザライン」と「アソアライナー」
当院のマウスピース型矯正装置は、アメリカで作製される「インビザライン」と日本製の「アソアライナー」を採用しており、患者様のご要望や適応症例で装置を選択しています。
マウスピース型矯正装置「インビザライン」
「インビザライン」は、歯のみを覆う形状のマウスピースで、奥歯まで全顎的に対応できるようにデザインされています。
マウスピースは、コンピューターシミュレーションで策定された治療計画に基づき、治療のゴールまで一括で製作されます。
通院回数は2~3か月に1度で済み、忙しい方に適した矯正装置です。
マウスピース型矯正装置「アソアライナー」
「アソアライナー」は、歯茎まで覆う形状のマウスピースです。「インビザライン」より軽度な症状に適用される装置で、奥歯の矯正治療や抜歯治療は適応外となっています。
「アソアライナー」は歯に付加装置を付けることなく、治療段階ごとに硬さや厚みの違うマウスピースで矯正力をコントロールしていきます。
※「アソアライナー」は、韓国で開発された「クリアアライナー」をもとに、日本で生まれたマウスピース型矯正装置です。
詳しくはこちらをご覧ください。
マウスピース型矯正装置「インビザライン」と「アソアライナー」の違い
インビザライン![]() |
アソアライナー![]() |
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矯正治療全般への適応性 | 骨格性の不正咬合や歯の移動距離の大きい症例など難治症例への対応は難しい | |
マウスピース型矯正治療が可能な症例の中での適応性 |
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得意とする症状 |
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製造国 | アメリカ | 日本 |
完成物薬機法への対応 | 医療機器として未承認 (材料は薬事認証済) |
医療機器として承認済 |
納期 | 約2か月 | 約2週間 |
型採り・マウスピース製作 |
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形状 | 歯の部分のみを覆う浅い形状 | 歯茎まで覆うような深い形状 |
装置の厚み | 0.05mm | ソフト0.5mmからハード0.8mmまで 段階に応じて厚みが異なる |
装着感 | 違和感は少ない方が多い | 慣れるまでは違和感がある方が多い |
装着時間 | 1日20時間以上(22時間以上を推奨) | 1日17時間以上(20時間以上を推奨) |
交換時期 | 1~2週間ごと | 10日ごと |
特徴 |
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メリット |
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デメリット |
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装置の違いについてのコラム記事はこちらをご覧ください。
マウスピース型矯正治療の流れ
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01初診相談・検査・診断
ここまではどのような矯正装置を使用する場合でも同じです。矯正医がカウンセリングやレントゲン検査でマウスピース型の矯正治療の適応症かどうかを診断します。
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02マウスピースの作製
「インビザライン」は、アメリカの工場で治療完了までのマウスピースを一括で作製します。マウスピースが届くまでには2か月程度のお時間がかかります。
Q&Aマウスピースができるまで「アソアライナー」は国内の工場で作製され、2週間ほどで届きます。一定の期間ごとに歯型を採取し、歯の移動の状況に応じたマウスピースを作製しながら治療を進めていきます。
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03治療計画の説明
マウスピースが届いたところで、改めて治療計画や予定治療期間についてご説明します。
マウスピースをお渡しし、使用における注意点やマウスピースのお手入れ方法などもお伝えします。 -
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04マウスピース型矯正治療の開始
マウスピースは、毎日20時間以上装着していただきます。矯正医の指示通り、定期的に新しいマウスピースに交換してください。
通院の際には、治療計画通りに進んでいるかをチェックし、治療中に虫歯にならないようしっかりと歯のクリーニングも行います。
「インビザライン」の場合
患者様は2~3か月ごとの通院になります。毎回の治療時間は20分程度です。
歯のクリーニング、アタッチメント脱落の確認・新規付与、必要に応じてストリッピング、また、ご希望の方にはフッ素塗布なども行います。
「アソアライナー」の場合
患者様は3週間に1回の通院となります。毎回の治療時間は20分程度です。
処置1回目は歯のクリーニングと歯型の採得、処置2回目は歯のクリーニングと新しいマウスピースのお渡し、ご希望に応じてフッ素塗布を行い、処置1回目と2回目を治療期間を通して繰り返します。
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05矯正治療修了・保定観察
歯の動的治療が完了したら、整った歯並びを維持するために保定観察が必要となります。歯を動かした直後は後戻りしやすいため、きちんと保定装置(リテーナー)を装着してください。
保定期間は2年前後で、その間3~4か月に1回の通院になります。毎回の診療時間は20分程度で、歯のクリーニング、リテーナーの洗浄、リテーナーの調整などを行います。
*当院ではホワイトニングを無料で行っておりますので、ご希望の患者様は保定期間中にお声掛けください。
マウスピース型矯正治療のメリット・デメリット
マウスピース型矯正治療は、比較的治療難易度の低い症例に適した矯正装置であり、全ての症状に適応できるわけではありませんが、従来のワイヤー矯正とは違ったメリットがあります。
また、固定式のワイヤー矯正に比べて患者様に依存する部分が大きいため、それがデメリットとなる場合もあります。
マウスピース型矯正治療を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
メリット
- 透明で見えにくい
- 取り外しが可能なため衛生的
- 固定式装置よりも違和感が少ない
- 金属アレルギーの心配がない
- 通院回数が少ない
*唇側矯正は月1回ですが「インビザライン」は2~3か月に1回です
こんな人に向いています!
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治療中の見た目が気になる人
透明のマウスピースは付けていても気づかれにくく、矯正装置が治療への躊躇であった方にはお勧めです。
*マウスピース型矯正治療の適応外の場合は、舌側矯正装置をご検討ください。
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結婚式や成人式などのイベントを控えている人
イベントを控えている人には、取り外しができる点はメリットかと思います。歯面にアタッチメントが付いていなければホワイトニングも可能です。
*マウスピース型矯正治療の適応外の場合は、舌側矯正装置をご検討ください。 -
普段通りに食事や歯磨きがしたい人
ワイヤーの固定式の場合、装置に付けるモジュール(ゴム)が着色しないようカレーやワインなどを避けたり、装置に挟まりやすい食べ物や粘着性のお菓子などを控える方もいますが、マウスピース型矯正装置は食事の時に取り外すため、気にする必要がありません。
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金属アレルギーがある人
プラスチック製のマウスピースなので、金属アレルギーのために矯正治療を断念していた方も安心して歯並びを直すことができます。
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ラグビーや柔道などのコンタクトスポーツをしている人
激しいコンタクトスポーツの場合は、固定式装置を破損したり、口の中を怪我してしまうかもと心配される方もいますが、マウスピース型矯正装置の場合、そんな心配は無用です。
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楽器の演奏をする人
吹奏楽部で金管楽器や木管楽器を演奏している方は、ワイヤーの装置を付けることによって演奏に支障が出たら…と心配される方もいらっしゃるでしょう。マウスピース型矯正治療のほうがハードルが低いと感じる方は多いようです。
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短期留学を予定している人
数か月の短期留学中はワイヤーの調整などを一時的にストップせざるを得ませんが、ご自分でマウスピースを交換する矯正装置であれば治療を継続することができます。
デメリット
- 適応症例が限られる
*難易度の高い症状への治療効果はワイヤーの矯正装置に比較して劣ります - 取り外しできる分、外しっぱなしだと治療が進まない
こんな人は向いていません!
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自己管理が甘い人
マウスピース型矯正装置は、1日20時間以上装着することで計画通りに歯が動くよう設計されています。従って、装着時間を守れなければ治療は進みません。また、定期的に新しいマウスピースに交換しなければなりませんが、交換時期も自己管理となります。
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食事の時間が長い人、飲食回数が多い人
晩酌をしながらゆっくり食事をとる習慣のある方は、マウスピースを取り外している時間が長くなるため、生活習慣を変えなければなりません。飲食の後は歯磨きをし、マウスピースを洗って装着するので、間食が多い方は面倒に感じる場合もあると思います。
また、マウスピースを装着したまま飲めるのはお水くらいなので、熱いコーヒーや紅茶を飲みながら仕事や勉強をする習慣のある方は我慢していただく必要があります。
矯正専門の医院で行うマウスピース型矯正治療
適応症かどうか診断するのは歯科医師です
マウスピース型矯正治療には不向きな症例や適応しない症例があります。重度の叢生、骨格性の出っ歯や受け口、抜歯部位が左右非対称の場合などは、ワイヤーを使って細かく調整を行わなければ満足のおける治療結果とはなりません。
しかし、矯正医が診断を行わず、ひとまずメーカーに検査結果を出して、メーカーがOKと言えばどのような症状でも治療を引き受けてしまう歯科医院があるのも事実です。
例えば、マウスピース型矯正装置「インビザライン」の場合、製造元であるアメリカのアラインテクノロジー社は、基本的に治療に関する責任は有していないので、どのような症例であっても装置を完成させます。
その上で、「アライナー(マウスピース)単独での歯根移動は予測実現性が低い移動となっている点をご了承ください」「クリンチェック上では移動しておりますが、臨床的には移動が生じない可能性がございます」などと注意メッセージが付いてきます。
つまり、「治療責任は100%歯科医師にあります。アライン社は歯科医師の指示に基づき、インビザラインを製作しております。治療結果に関する責任に関してアライン社は一切の責任を負いません」という立場です。
アライン社の治療計画のもとで、その治療を完了できるか判断をするのは、あくまでも歯科医師です。従って、マウスピース型矯正治療であっても、矯正治療の知識と経験のある矯正医による治療を受けていただくことをお勧めします。
マウスピースであっても治療のゴールは同じ
矯正治療は、悪い歯並びを整え、噛み合わせ改善して、お口の健康の維持・管理が容易になるようにする治療です。また、口元を含めた顔全体のバランスを考えて治療を行うことが大切です。
マウスピース型矯正装置の治療期間は、唇側矯正や舌側矯正といった固定式の矯正装置よりも予測が難しく、なおかつ長期化する傾向にあります。歯科医師は、数年にわたる治療期間を通して、患者様の治療のゴールに向けて緻密に調整をしていかなければなりません。
矯正治療は、口元の印象であなたの大切なお顔が変わる可能性がある治療です。気軽なマウスピースによる矯正治療であっても、その点については十分ご理解いただければと思います。
ワイヤーによるリカバリーが可能
当院では、アラインテクノロジー社から「マウスピース単独での歯の移動は難しい」とコメントがついた場合などは、「インビザライン」での治療開始前に、唇側矯正装置や舌側矯正装置を用いて部分的に歯の移動を行うことがあります。
また、長い治療期間で、治療が思うように進まない患者様や予期せぬトラブルがあった場合などは、ワイヤーによるリカバリーも可能です。
現在、マウスピース型矯正治療は多くの一般歯科医院でも行っていますが、当院を始めとする矯正治療専門の歯科医院で行う治療は、患者様により安心や確実性をお届けできることと思います。マウスピース型矯正治療をご希望の方は、ぜひ一度、初診相談にお越しください。
マウスピース型矯正治療Q&A
マウスピース型矯正装置で矯正治療を行う場合の通院頻度はどのくらいですか?
マウスピース型矯正装置は、固定式のワイヤーの矯正装置よりも痛みが少ないですか?
マウスピース型矯正治療において、飲食の注意点は何ですか?
マウスピース型矯正装置はどのくらい目立たないものですか?
マウスピース型矯正治療は、ワイヤー矯正に比べて虫歯になりにくいですか?
※ 上記Q&Aは矯正歯科Q&Aまたは歯科雑学コラムページに詳しく掲載しています。また、他にもさまざまな矯正治療に関するQ&Aや情報を載せていますので、是非ご覧ください。
【マウスピース型カスタムメイド矯正装置「インビザライン」について】
- マウスピース型矯正装置「インビザライン」は、日本国内では医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けていない未承認の医療機器です。材料については日本の薬事認証を得ております。
- 米アラインテクノロジー社の製品の商標であり、インビザラインジャパン社から入手しています。
- 日本国内において医薬品医療機器等法(薬機法)の承認を受けている同様の医療機器は複数存在します。
- 1998年にFDA(米国食品医薬品局)により、医療機器として認証を受けています。
- 日本では完成物薬機法未承認の矯正歯科装置であり、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。