HOME > 矯正装置の種類 > その他の矯正装置 > カリエールディスタライザー
カリエールディスタライザー
カリエールディスタライザーの外観と使用目的
カリエールデジスタライザーは混合歯列期~永久歯列初期(年齢でいうと9~12歳くらい)に上顎前突の改善を目的に使用される矯正装置のうちの一つです。この時期に同じような症状の改善を目的に使用される装置には他にもヘッドギアーなど多種あります。
どの装置が優れているというようなことではなく、患者様の症状によって選択が変わります。その詳細は書こうと思うと一冊本が書けてしまうのではないか?というような分量になりますのでここでは割愛します。
また、現在では下顎前突用のカリエールデジスタライザーも販売されています。
上の写真はカリエールディスタライザーを日本国内で販売している矯正材料商社のホームページからの転載です。カリエールディスタライザーを口腔内に装着し、顎間ゴムをかけることで上顎には後方への、下顎には前方への力がかかります(写真青矢印)。3か月後、上顎犬歯と第一大臼歯が後方移動しています。このことで上下顎大臼歯関係の改善をはかります。
次に当院での治療例です
⇒
上顎前突症ですが、12歳臼歯が未萌出であることから上顎歯列を後方に移動し、非抜歯での治療を計画しました。
4か月間カリエールディスタライザーと顎間ゴムを使用しました。犬歯が後方に移動したことで側切歯と犬歯の間にスペースができています。ここまでくると後のマルチブラケット装置(唇側矯正装置や舌側矯正装置)での治療期間を大幅に短縮することができますし、抜歯をせずに治療することも可能になります。マルチブラケット装置のための土台作りといった治療ステップですがとても重要なステップです。
参考→上顎前突7(カリエールディスタライザーを用いて治療した上顎前突の治療例)
治療の目安
- 主訴
- 歯のデコボコ
- 診断名
- 叢生
- 年齢
- 12歳 男性
- 治療に用いた主な装置
- 2級及び3級是正装置(カリエールモーション3D/カリエールディスタライザー)
- 抜歯部位
- 非抜歯
- 治療期間
- 2年間(月に1回の通院)
- 治療費
- 約820,000円(税込)
- リスクと副作用
-
- 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
- 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
- 着脱可能な装置を使用する際は、適切な装着時間を守らないと歯が動かず、治療期間も延長します。
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
- 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
- リテーナー(保定装置)を適切に使用しない場合は、後戻りすることがあります。
NEXT→トランスパラタルアーチ