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歯科用研磨器材(サンドブラスター)
サンドブラストとは一般的には金属等の表面に微粒子のアルミナ粉を噴射することで微細な凹凸を作り、接着強度を上げるための手段です。舌側矯正装置を装着する際には歯の表面にサンドブラスト処理を行います。今回は当院で口腔内でサンドブラスト処理を行っている2商品を紹介します。
1・マイクロエッジブロー
マイクロエッチブローは株式会社モリムラの製品です。マイクロエッチブローがセラミックの研削に使用されることからてっきり森村グループ(ノリタケ、TOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業などを有するグループ企業)の一員なのかと思っていたら全く関係ないようです。社長が森村さんというところからの社名らしい。
クラウンなどの歯科補綴物の表面にミクロの傷を付けるための道具です。矯正用のブラケットを金属やポーセレンの表面に接着すると、天然歯よりも接着強度が落ちます。このために金属用の前処置剤やポーセレン用の前処置剤などを利用しますがそれでも天然歯ほどの接着強度は得られません。
その際にこのマイクロエッチブローで補綴物表面を荒くして接着強度を増します。原理は高圧ガスで50μのアルミナ粉を補綴物表面に吹き付けます。一般的にはサンドブラストといいます。
技工室で使用する据え置き型の大型タイプのものが多いのですが、これは口腔内でも使用できるハンディータイプのものです。舌側矯正装置を装着する際には歯の接着面にもサンドブラスト処理を行うことでより強固な接着が期待できるようになります。
アルミ缶の中のガスはHFC-134a。フロンガスの1種だそうで「今どき使っていいの?」と思ったのですが「フロン排出抑制法の指定製品対象外」と記載されいました。そうはいっても環境影響度の高いガスであることは間違いないですから慎重に使用しなければなりませんね。
さて、このマイクロエッチブローを使用する際に問題になるのがその使用時間の短さ。缶そのものが小さいこともあって気化熱によってあっという間に缶が冷たくなる、と同時に最初は強圧で吹き出ていたガスの勢いがどんどん失われていくのです。そういうわけでスプレー缶は2本、ないし3本の同時使用となります。1本目がダメになったら2本目に交換して2本目を使用している間に1本目を温める(室内に放置するだけですが)といった具合です。
2・タイニープラス
さて、開院以来10年ほどは上記のマイクロエッチブローを使用していたのですが、TynyPlus(タイニープラス)という製品が発売されて愛用しています。日本歯科商社が製造販売しています。
この製品の良いところは歯科診療台のエアタービンホース(歯を削るタービンを接続するホース)に直接接続できるところです。缶入りのフロンガスと違って気化熱が関係ありませんから長時間使えます。
最初はアルミナ粉のタンクが手元近くにあるので操作性はマイクロエッチブローに劣るかな?と感じていましたが慣れてしまえばどうということもなく、連続使用時間の長さのメリットの方が遥かに大きいです。細かいことを言えばフロンガス缶が必要ないのでコスト面でもメリットがあります。
現在ではメインはタイニープラスです。マイクロエッチブローはタイニープラスのノズルが目詰まりしたときに使うくらいです。
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