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骨性癒着(アンキローシス)の診断
写真のペリオテストMは歯の動揺度を測定するための器械です。一般歯科では歯周病治療の効果を測定する器械として利用されています。
歯周組織が健全でないときは歯の動揺度が大きくなりますからこの器械ですと大きな+値として表示されます。歯周病治療の効果が出てくると動揺度が小さくなりより小さな数値が表示されます。
矯正治療では主に歯の骨性癒着(アンキローシス)の診断用に使用します。
通常、歯根と歯槽骨の間には歯根膜という血管や神経などを有する薄い組織が存在しています。ところが骨性癒着を惹起している歯は歯根の一部分が歯根膜を介さずに歯槽骨と直接結合しています。
歯矯正治療によって歯が移動できるのは歯根膜内に破骨細胞が存在するからです。骨性癒着している歯は歯根膜が存在しない部分が存在するために一般的な矯正治療の方法では歯を動かすことができないのです。
骨性癒着を術前に100%の確率で診断できる方法はありませんが、以下のような点を考慮しながら診断します。
*歯の萌出が途中で止まっている
*歯が黒ずんでいる(過去の外傷による脱臼などを疑う)
*打診音(歯をミラーの柄などで叩くと金属音といわれる特徴的な音がします)
*動揺度が隣在歯に比べて小さい
矯正治療を希望される患者様は比較的若年層ということもあり、歯周病に罹患されている患者様のように大きな歯の動揺を伴っていることはあまりありません。
15歳程度であれば歯槽骨も柔らかく隣在歯の動揺度が大きいので比較的判断しやすいのですが、20代、30代の患者様ですと隣在歯の動揺度が小さいため触診で骨性癒着を判断するのが困難になります。ペリオテストMはこの補助として利用します。骨性癒着している歯は隣在歯と比べて非常に小さな値が測定されます。
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