上下顎前突治療例3(上顎両側第一小臼歯・下顎両側第二小臼歯抜歯、唇側矯正装置)
症状・治療方針・治療
初診時年齢:17歳
性別:女性
主訴:出っ歯
症状・治療方針
上下顎前突症は上下顎前歯の過度な唇側傾斜、あるいは前方位によって口元の突出感が顕著である症状です。多くの場合、凸凹は軽度で一見歯並びがきれいに見えますが、口が閉じにくい、口を閉じたときにオトガイ筋の過緊張が認められる(世間では口ボゴと言われているようです)、安静時に口唇から前歯の先端が露出してしまう、E-lineに対して上下口唇が出ている、鼻唇角が小さい(顔を横から見たときの鼻と唇の角度のことです)など、機能的、審美的な問題を呈するのが特徴です。本症例でも上記特徴の多くが該当し、典型的な上下顎前突症といえます。
治療方針は上顎両側4番、下顎両側5番を抜歯し、上顎前歯を最大限後方移動するために固定源として歯科矯正用アンカースクリューを併用しました。
治療結果
口元の突出感が顕著に改善しました。口唇閉鎖時のオトガイ筋の過緊張(口ボゴ)も消失しています。また、側面観からは治療前にはやや1歯対1歯関係気味であった奥歯の咬み合わせも凸と凹が一致した1歯対2歯関係に改善していることがわかります。
治療の目安
- 主訴
- 出っ歯
- 診断名
- 上下顎前突症
- 年齢
- 17歳 女性
- 治療に用いた主な装置
- 唇側矯正装置、歯科矯正用アンカースクリュー
- 抜歯部位
- 上顎両側第一小臼歯、下顎両側第二小臼歯
- 治療期間
- 25か月 / 月に約1回の通院
- 治療費
- 約820,000円(税込)
- リスクと副作用
-
- 治療中は歯みがきしにくい箇所ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高くなるので、念入りな歯みがきが必要になります。
- 初めて矯正装置を装着した時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
- 治療当初は装置が舌にあたり、発音のしづらさや食べづらさなど感じることがあります。
- 歯並びを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜くことがあります。
- 歯を動かす際に、歯根吸収や歯肉退縮が起こることがあります。
- 矯正治療は患者様の協力度に左右されることのある治療です。顎間ゴムなどを歯科医師の指示通りに使用しないと期待した治療結果が得られないことがあります。
Case1:空隙歯列1(マウスピース型カスタムメイド矯正装置「クリアアライナー」、非抜歯) へ